ANCHORS動物病院未来研究所

2026年2月13日

労働・社会保険関係の法改正について(その1)雇用保険法の改正

1.はじめに

インバウンドの影響もあり堅調な日本経済と少子高齢化に伴い、労働力不足が深刻化し、日本の労働市場も大きく変わりつつあります。これまで日本経済の常識であった終身雇用は崩れ、労働市場の流動化も大きくなり、働き方の多様化が進んでいます。一方で、IT技術やAIの革新的な進化により、近い将来多くの業務がAIに取って代わられる可能性も高くなっており、労働者のリスキリング(学び直し)の必要性は、大きく高まっています。
このような時代背景もあり、雇用保険制度も、時代の変化に対応するために改正が進められています。これまで雇用保険といえば、「失業時の生活保障」というイメージが強かったと思いますが、今後の改正は、多様な働き方をする労働者のためのセーフティネットの構築と、「人への投資」の強化等を目的としています。具体的には、①雇用保険の対象者の適用拡大、②教育訓練・リスキリング支援の充実するための措置となっております。
これらの改正に対して、どのように対応すべきなのか、企業(病院)側と従業員側のそれぞれのメリットとデメリットについて解説致します。

2.雇用保険の適用拡大

現在、雇用保険の被保険者の加入条件は「週20時間以上」ですが、これが「週10時間以上」に拡大される見通しです(施行日:令和10年10月1日)。これにより、これまで対象外だった短時間労働者(パート・アルバイト)も雇用保険の恩恵を受けられるようになります。この改正により、全国で約500万人労働者が適用対象となると言われています。現状の雇用保険の被保険者数が約4,500万人といわれており、およそ1割の労働者が雇用保険の被保険者になると言えます。

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この記事を書いた人

特定社会保険労務士 大田恭生
特定社会保険労務士 大田恭生
東京都社会保険労務士会研修委員
社会保険労務士会江東支部広報委員長

【保有資格】
特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、メンタルヘルスマネジメント2種、HSK(中国語)6級

【略歴】
1988年:商社入社後、繊維事業部で営業職。上海での業務経験11年、人事部門、子会社役員を経験し、退社。
2024年:おおた社労士オフィス 開業。

【執筆】
裁判例分析にみる労務トラブルの争点と対応実務
2025年9月(中央経済社)出版 
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