今回はJASMINEミニセミナーのご紹介です。循環器科より「EPIC STUDYが教えてくれること」についてお話ししております。
ここでは、動画の内容を概説いたします。
セミナーテーマ:EPIC STUDYが教えてくれること~ピモベンダンすごい!!だけじゃない~
講師:JASMINEどうぶつ総合医療センター 循環器科 新居康行先⽣
この動画は2022年2月4日に行ったミニセミナーの動画になります。
この記事の目次
EPIC STUDYとは
EPIC STUDYとは2016年に発表された、心拡大を伴う無徴候性の僧帽弁閉鎖不全症の犬に対するピモベンダンの有効性を検証した臨床試験です。
日本を含む11カ国、36施設で実施されました。
自然発症した僧帽弁閉鎖不全症の犬359頭を対象とした前向き研究で、心拡大はあるが心不全症状を呈していない犬にピモベンダンを投与することで効果が認められるかどうかを検証した臨床試験です。
研究の組入基準は、無徴候、体重が4.1-15 kg、僧帽弁閉鎖不全症によるLevine 3/6以上の心雑音があり、 心エコー検査により僧帽弁逆流が確認(慢性変性性僧帽弁疾患による)された犬です。
そして、LA/Ao ≧ 1.6、LVIDDN ≧ 1.7、VHS > 10.5を満たす犬が研究に組み入れられました。
ピモベンダンを使用することで、プラセボ群と比較し、約15か月うっ血性心不全または心臓関連死の発症の期間を延長したことが報告されました。
EPIC STUDYには、その後EPIC STUDY 2、EPIC STUDY 3と続きの研究があります。
EPIC STUDY 2では、ピモベンダンによって心エコー指標や臨床スコアが変化するかどうかを調べていて、結果としては、ピモベンダンの使用後約1ヶ月 (35日) に心サイズが縮小することが報告されております。
今回はEPIC3についてご紹介します。
この記事を書いた人
最新の投稿
- 2024年10月9日獣医療オンラインセミナー:第1回:『呼吸器疾患の臨床特徴をマスターしよう』
- 2024年7月19日獣医療犬の血管肉腫を整理する・オンラインセミナー
- 2024年4月6日獣医療TSUNAGU × 獣医療の未来~かかりつけ動物病院と専門診療施設の連携とその重要性~ オンラインセミナー【前編】【後編】
- 2024年2月16日獣医療世界獣医がん学会のモーニングセミナーに埼玉動物医療センター院長・林宝謙治が登壇